懲りずに自作真空管アンプを紹介します。(2003年4月)
予算3万円!
6ah4
6ah4 6ah4 6ah4 6ah4

ケース:鈴蘭堂SU-4【幅300-奥150-高40(シャーシ部)】ケース加工図面
初段:2SK30A
真空管:12AU7 2本、6AH4GT 4本
電源トランス:ITP-90 (5000円) by イチカワ
アウトプットトランス:IPTT-10W (3000円/1個) by イチカワ

検討資料:エクセルシミュレーション結果

一聴して高域の嫌味があったので、軽く位相補正コンデンサーを入れました。
とりあえず、負帰還の掛かった状態での周波数レスポンスと方形波応答を撮影しました。
周波数レスポンス
目分量の位相補正コンデンサーでしたが、結構ドンピシャのようで、計測データーとしてはいい感じです。
計算上では7dB程のNFBが掛かっているハズなので、その割には高域のピーク・ディップも余り無く、イチカワブランドのトランスが安心して使用できる物と想像されます。


100Hz方形波応答 1kHz方形波応答 10kHz方形波応答
100Hz方形波では、少しサグが観測されています。
周波数レスポンス図でも、現れています。
1kHz方形波で、少しリンギングがあります。
10kHz方形波でも、リンギングがあります。
どちらも僅かなので、十分な性能だと思います。

残留ノイズは、Lch=0.6mVrms、Rch=0.5Vrms(聴感補正無)と、十分なレベルです。
ダンピングファクターは、三極管であることと、7dB程度のNFBのお陰で、”5”です。

スピーカーで聴くぶんにはノイズも無くいい感じなのですが、ヘッドホンで聴くとハムノイズが気になります。
LuxのOY15-5Kを使用した6550Aによる差動アンプと比べると、中低域の密度が違います。
アウトプットトランスのボリュームの違いなのでしょうか・・・
とはいえ、3000円/個を考えると超お買い得感があります。
それと、少々発熱が気になります。
これは電源トランスのタップが250Vであり、所要B電圧に対応する為、無駄な抵抗ドロップをしています。
もしイチカワさんのITP90に200V-220Vタイプがあれば、無駄な発熱も無く、廉価にスマートに全段差動アンプを堪能できると思います。

01.May.2003
この差動アンプを持参して先輩宅へお邪魔しました。
別の先輩は自作6BM8超三アンプを持参してきました。
試聴会場提供者の先輩は自作トランジスタDCアンプを持っています。
各アンプを聞き比べてみました。
結構ノーマルな感じでした。
変な色づけ感が無く、あくまで忠実!みたいな感じです。

06.May.2003
シャーシが熱い。めっちゃ熱いです。
これから夏に向かおうというのに、熱すぎる・・・(^^; 減熱対策を考えなければなりません。
とはいえ、プレート損失分やヒーターの熱は基礎代謝みたいなモノだし・・
シェイプできるとすれば、欲しい電圧に合わせる為、抵抗を入れているが、それを変えよう・・・
ロードラインが右へシフトします。
シミュレーターでは、許容プレート損失ギリギリのところで、なんとかなりそうです。
6AH4GTには、めいっぱい頑張って貰うことになりますが。
今まで抵抗で捨てていた電力は5.84W、これを3.32Wへと2.52Wのエコです。
最大出力が少し減るが、定電流のバイアス電流を減らそうか。(現状28.4mA/球->27.2mA/球へ)

07.May.2003
イチカワさんに問い合わせたところ、現行ITP90と同価格にて220Vタイプを受け付けてくれるそうです。
イチカワさんの柔軟なご対応に感謝したいと思います。

6BM8を使用した全段差動アンプにも、この組み合わせは最適だと思います。
6BM8ppの場合、電源タップは200V仕様の方がBetterだと思います。

10.May.2003
減熱対策しました。
π型フィルターのところに150Ω10Wタイプを使用していた。
それが2段ある。
どちらにも200Ω5Wタイプを並列接続しました。
合成抵抗としては約85Ω。

その周りを確認していて、ミスを発見しました。
B2電圧(ドライバー段)を決定する抵抗が、設計1.5kΩのところ3kΩが付いていた。
これではロードラインが相当左へシフトしているはず。
バイアスも浅く、-0.7Vより浅い領域を使用していた可能性が大きい。

ヒアリングにおいても、ガサツ感が和らいだように感じます。
ついでだったので、アウトプットトランスの一次・二次側直流抵抗値を測定し、エクセルシミュレーションに反映させました。
D.F.が計算値で4.9で、実測で5なので、極めて正確なシミュレーション結果だと思いました。

10.May.2003
折角1.5kΩを取り付けたが、シミュレーションし直すと3kΩのままでよかったみたいです。
というのも、B電圧調整用の抵抗値を小さくした為、B2へ供給される電圧も上がり、3kΩでも辻褄があってしまったようです。
1.5kΩでも体勢に影響なしですが、今度暇を見て3kオームに変更します。

肝心の発熱の事ですが、内部で2.5Wのエコをしたにも関わらず、余り変わりません。
根本的な放熱対策が必要です。
写真でご覧の通り、上部に放熱の穴を開けていないので、エアフローが悪いかも・・・
ヘッドホン端子からのハム音対策の為、最配線の予定なので、其の時に穴を開けようと思います。


05.Jul.2003
6BM8差動ppも調子良く鳴っていることですし、この6AH4GT差動ppアンプをしばらくお休みさせようと思います。
やはり高温になるのが気掛かりなので、廃熱対策をしようと思います。
分解してみて、電源回路が熱でやられていました。
抵抗器からの熱でラグ板が焦げています。
ラグ板焦げ

とりあえず・・・・・・