BW-1.25K20W にちょうどよい出力管は? 投稿者:n'Guin 投稿日:2024/01/24(Wed) 17:05 No.6630 ARITO さま いつもお世話になっております。 懸案であった DE-8K20W を用いた KT88 / EL34 等の平衡入力型全段差動アンプは、わずかに修正すべきところが残っていますが、ほぼ完成しております。 頭の中は、ARITOさんにお勧めいただいた 平衡入力型 CSPP でいっぱいです。 DE-8K20W と同じコアボリュームの BW-1.25K20W を用いて、平衡入力型 CSPP アンプにチャレンジしたいと考えております。 BW-2K7W のほうは多数の作例がありますが、こちらのほうは作例がひとつで、ロードラインの参考図がありません。 この掲示板での、ひでじさんの設計過程へのコメントから、DEPP と同様の動作点で考えるとよいとのことでしたが、20W程度の出力のアンプとなると、作例の 6L6 あたりかと思う一方で、好みの問題で EL34/KT88 を使ってみたいとも思います。 そのように考えると、EL34/KT88 の三結あたりも候補になるかと思いましたが、CSPP は多極管接続でも高いダンピングファクタが得られるのが特徴で・・・・などと考えると、答えがなくなってしまうような気もいたします。 どのように考えるのが正攻法なのか、みなさまのご意見をいただければ幸いです。 よろしくお願いします。 追伸: 前段は、オペアンプ(±FET)の CASCOMP 回路を採用するつもりです。 Re: BW-1.25K20W にちょうどよい出力管は? - ARITO@伊吹南麓 2024/01/24(Wed) 18:06 No.6631
三極管のCSPPも悪くは無いですが、多極管を使うなら三結ではなくネイティブ動作かな、 と思いますね。特に初めてのCSPPであれば。 EL34はヒーター・カソード間の耐圧が100Vしかないので、あんまり出力を欲張ると 定格を超えてしまいますので要注意です。16WまでであればOKです。 Re: BW-1.25K20W にちょうどよい出力管は? - n'Guin 2024/01/25(Thu) 08:04 No.6632 ARITO さん ご返信ありがとうございます。 EL34 での注意点をありがとうございます。 確かに、K-H耐圧100V の記載があります。 昨晩、ALITO さんの返信を見て、6EZ5(三結にすると、私の思い入れがある 6GA4 類似)を思い出して、ロードラインをひいてみたのですが、駆動電圧が 114Vrms も必要でした。 どうやら、gm が大きく、感度の高い球のほうが良さそうです。 好みの KT88 をとても軽く使うとか、ロードラインをひいてチャレンジしてみます。 Re: BW-1.25K20W にちょうどよい出力管は? - ARITO@伊吹南麓 2024/01/25(Thu) 12:47 No.6633 6EZ5のCSPPは作ったことあります。(サークロトロンですが) この球はEL34と差し替えが可能ですが、EL34よりも最大出力がかなり大きかったので ビックリしました。良い音してました。 ちなみに私もこのトランスを使って何か作ろうと、かなり前から考えているのですが なかなか着手ができません。 私の選択はちょっとマニアックで、EC360という欧州の三極管です。 Re: BW-1.25K20W にちょうどよい出力管は? - n'Guin 2024/01/25(Thu) 16:00 No.6634 ARITO さん ご返信ありがとうございます。 >6EZ5のCSPPは作ったことあります。(サークロトロンですが) えぇ! びっくりしました。「ありとな世界」のホームページに記事はないですよね。 休み時間に、KT88でロードラインをひいてみました。 全然だめです。 良さそうなところにロードラインを取ると、簡単に30W超えてしまいます。 だからといって、電源電圧を下げると、Az がやたら小さくなってしまいます。 だめそうです。 これで作るなら、他のトランスでとなりますが、染谷電子のトランスは、4Ω出力がありません (T-T) バイアスの浅い近代管はドライブしにくいCSPPにとっては ベストの選択肢(http://seabasssound.o.oo7.jp/8417CSPP/8417_CSPP.htm )という記事がありました。 6EZ5 を持ってはいないので、他に良い出力管がないか、もう少し悩んでみます。 追伸 4本ある手持ちは 6L6GTC/KT66(と書いてある)、中華EL156、EL34、中華350B、KT88 です。 あとは、6G-A4、6AH4GT、6AQ5、8R-LP1 は、もっとあります。 > 私の選択はちょっとマニアックで、EC360という欧州の三極管です。 定格をみると、ちょうど良さそうに思いました。 本当にマニアックな球のようでした。 Re: BW-1.25K20W にちょうどよい出力管は? - ARITO@伊吹南麓 2024/01/25(Thu) 16:41 No.6635 >「ありとな世界」のホームページに記事はないですよね。 これ↓です。 https://www.za.ztv.ne.jp/kygbncjy/tubeamp/6L6_CIRCLOTRON/6L6_CIRCLOTRON.htm このアンプはGT管で差し替えられる球はけっこうなんでも挿せるアンプで、 6EZ5とかEL34とか、KT88なんかも挿せるように出力トランスのインピーダンスを 880Ωと1260Ωのどちらか選べるようにしています。バイアスは都度要調整ですが。 面白いのは多極管だけではなくて、6GA4も挿せるんですよね。 最大公約数的に電圧を決めれば、6L6とか他の多極管と差し替えられるアンプができますよ! Re: BW-1.25K20W にちょうどよい出力管は? - n'Guin 2024/01/30(Tue) 11:11 No.6640 ARITO さま サークロトロンのご紹介をありがとうございます。 いろいろ回路図から読み解いていたのですが、私の理解を超えているところがいろいろあります。 今回教えていただいたような紹介文があると、なおありがたいです。 さて本題ですが、6EZ5 で作ってみようと考え、まずは球を確保しました。 平衡入力で オペアンプ(±FET)の CASCOMP 回路でドライブするつもりです。 CASCOMP 回路の設計にあたって、下記のページを読みました。 http://www.za.ztv.ne.jp/kygbncjy/tubeamp/6AK6CSPP/CASCOMP.HTM 疑問1 「真空管にはまったく依存しない」とのことですが、適当な Ip が流せれば、なんでもよいということになるのでしょうか。 疑問2 「電源クリップ寸前まで非常に低歪率」とのことですが、供給可能な出力電圧はどのようにして求めるのでしょうか? 抵抗にかかる電圧が、おおよそ電源電圧の半分になるようにして、その電圧が、片側の p-p 電圧と考えてもよいということでしょうか。 (もちろん余裕を診る必要があると思われますが。) 疑問3 作例で、オペアンプと真空管のあいだに、FETがはいっている例もあります。 このあたりは、どのようにして決定するのでしょうか。 もしかすると、LTSpice を覚える必要があると言うこと・・・でしょうか? ゆっくり学んでいきたいと思いますので、よろしくお願いします。 Re: BW-1.25K20W にちょうどよい出力管は? - ARITO@伊吹南麓 2024/01/30(Tue) 12:36 No.6641 サークロトロンについては、現状、電源、出力とも適当なトランスが市販品では存在しませんので、 詳しい説明はしていません。 そのうち拙ラボでサークロトロン用トランスセットを出したいとは思っているのですが... まぁそうなったら詳しい説明が必要になるんでしょうねぇ。 さて、ご質問についてですが、カスコード管の動作自体は普通の回路と変わりはありませんので、 ロードラインを引いて出力段のドライブに必要な振幅が取れるかどうかを検討します。 カスコード管のカソードはグランド電位ですから、カソード接地回路と同様に普通にロードラインを引いて求めてください。 オペアンプとカスコード管の間にFETが入っているのは、オペアンプの電源電圧について考慮した結果です。 オペアンプの出力端は無信号時にはカスコード管にアイドリング電流を流すため必要なバイアス電圧で静止します。 この点からカスコード管のドライブに必要な振幅をオペアンプが出力できなければなりません。 仮にカスコード管のバイアス電圧が-9Vだとして、ほぼフルドライブが必要だとしたらオペアンプは-9Vを中心に、 -18V〜0Vまで振幅する必要があるということになります。 ということは、オペアンプの出力飽和電圧が2Vだったとしたら、マイナス側の電源電圧は-20V以上必要となります。 (一方、プラス側へは振幅することは無いので、プラス側の電源はあまり頓着する必要はありません。) FETを挿入するとカスコード管をドライブするのはFETとなり、オペアンプはFETをドライブします。 FETのドライブに必要な電圧は大きくても数Vで済むので、オペアンプの電源電圧を低くできます。 例えばヒーター巻線を利用してオペアンプの電源を作ることができるので、電源回路やトランスの仕様を簡略化できるのです。 また、カスコード管のバイアスが非常に深い場合は、通常のオペアンプでは電源電圧の制限からドライブが しきれないということが起こり得ますが、FETを挿入することで使えるオペアンプの幅を広げることができます。 以下のアンプがその例です。 https://www.za.ztv.ne.jp/kygbncjy/tubeamp/CASCOMP/GTCasCompAmp.pdf Re: BW-1.25K20W にちょうどよい出力管は? - n'Guin 2024/01/31(Wed) 10:24 No.6642 ARITO さん さっそくのご返信ありがとうございます > そのうち拙ラボでサークロトロン用トランスセットを出したいとは思っているのですが... > まぁそうなったら詳しい説明が必要になるんでしょうねぇ。 楽しみに待っております。 私の疑問にお答えいただき、ありがとうございます。 > カスコード管のカソードはグランド電位ですから、カソード接地回路と同様に普通にロードラインを引いて求めてください。 なんともお恥ずかしい。 よく考えたらわかりそうなものです。 よくわかりました。 > 仮にカスコード管のバイアス電圧が-9Vだとして、ほぼフルドライブが必要だとしたらオペアンプは-9Vを中心に、-18V〜0Vまで振幅する必要があるということになります。 この説明もありがたかったです。 +側に振幅しないことが、頭から抜けていました。 FET 挿入の意味もよくわかりました。 作例では、少々極端な例ですが、なるほどと思いました。 上側の真空管は、トランジスタに置換するのもいいかなと、ちょっと思いました。 (ウォームアップの時間がないので) 楽しく考えてみたいと思います。 これからもよろしくお願いします。 Re: BW-1.25K20W にちょうどよい出力管は? - ARITO@伊吹南麓 2024/01/31(Wed) 11:42 No.6643 >上側の真空管は、トランジスタに置換するのもいいかなと 私もトランジスタを使ってみたことがあります。 http://amp.umetech.com/images/ariq/img//167.gif が、トランジスタはベース電流が流れますので、無歪(カスコンプ)回路としてはそれが誤差になり歪率が悪化します。 実際にはそんなに大きく悪化はしないようですが、できればFETで置き換えた方がベターだと思います。 某掲示板で情報を仕入れたのですが、こんなFETだとカスコード管を置き換えるのに便利です。 https://akizukidenshi.com/catalog/g/g113542/ あと、カスコンプのオペアンプ用の電源が最後に落ちるようにしないと、電源オフ後に大きなノイズが発生する 可能性がありますので、ご留意願います。 Re: BW-1.25K20W にちょうどよい出力管は? - n'Guin 2024/01/31(Wed) 17:52 No.6644 ARITO さん いつも返信をありがとうございます。 FETで置き換えの話題・・・ものつくりの掲示板かどこかで、教えていただいたような気がします。 スペースファクタの点で抜群ですね。 6EZ5 ですが、1250Ωでロードラインをひいてみると、肩の立ち上がりの関係で、Eb=300v, Ec2=250V がよさそうです。 Ib 30mA 程度でどうかと思いました。 私の計算が正しければ、gm =7.17, rp=30kΩ, µ=215 A2=0.88 で、駆動電圧は 94.2Vrms になりました。 みなさまの回路を参考にして、つぎはぎしてみました。 電源をどうするかは後回しですが、いかがでしょうか。 現在の疑問点は、Eb より Ec2 が50V低いので、定電圧ダイオードで下げようと思いますが、この定電圧ダイオードのディレーティングが、よくわかりません。 ※ 教えていただいた 12AU7 のかわりに、FET 使っちゃいそうです。 添付:6644.png (57KB) Re: BW-1.25K20W にちょうどよい出力管は? - ARITO@伊吹南麓 2024/02/01(Thu) 08:08 No.6646 回路図については、以下の点の修正が必要です。 ・DCバランスサーボ回路のCRDの向きが逆になっている。 ・初段のカスコード管のグリッドが浮いている。 あとは、帰還回路のインピーダンスが高くなりそうですので、残留ノイズが大きくなるかもしれない、 というのが懸念点でしょうか。 スクリーングリッドの給電については、ツェナーで落とすのは一番簡単ですので、処女作でしたら良いかな、と思います。 が、ベストではありません。ですので、追々改良することを頭の片隅に置いておくといいかもしれません。 ツェナーのディレーティングについてですが、無信号時のスクリーングリッド電流は2mA程度だと思います。 とすると消費電力は(300Vー250V)×2mA=0.1Wですので、5Wタイプを3つも使うのは冗長な気がします。 >教えていただいた 12AU7 のかわりに、FET 使っちゃいそうです。 でしたら、ここは12AU7+2SK170の代わりに、でしょうね。私もそのうち試してみるつもりです。 スクリーングリッドの給電方法と、ノイズが多くて気になる場合の帰還回路の参考として、 拙のアンプをご紹介しておきます。 https://www.aritos-audio-lab.com/4P1L_CSPP.pdf Re: BW-1.25K20W にちょうどよい出力管は? - n'Guin 2024/02/04(Sun) 19:49 No.6655 ARITO 様 返信を、そして修正点を明らかにしていただき、ありがとうございます。 6EZ5 のスクリーングリッド電圧の最大定格は 300V なので、プレート電圧と同じにしてもよいのですが、そのような条件でのデータシートがなかったので、Eb = 300V / Ec2= 250 V でロードラインを引いてみたところです。 わからないことだらけなので、電源部を考えたら、また相談いたします。 感謝申し上げます。 Re: BW-1.25K20W にちょうどよい出力管は? - ARITO@伊吹南麓 2024/02/05(Mon) 08:45 No.6660 6EZ5のスクリーングリッドを300Vにしても、バイアスが深くなるだけで出力が増えるわけでは ありませんし、BW-1.25K20Wの定格容量からも250Vが正解だと思います。 スクリーングリッド電圧の給電については、B電源からツェナーで落とすのが一番簡単で楽ですが、 出力振幅が大きくなると電源の電圧降下で最大出力が伸びないですし、カソード基準で定電圧化すると 音の粒立ちがハッキリするようになりますので、音質的にもおすすめです。 |