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[6352] 設計し直してみました PCL86 CSPPアンプ 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/25(Wed) 05:34   <URL>

ARITO様
PCL86 CSPP アンプの構想やっと固まりました
おんにょさんのブログに、6T9 CSPPアンプ製作記事があり、
https://onnyo01.hatenablog.com/archive/category/6T9%20CSPP%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%97
出力段に必要な駆動電圧は、250Vp-pと私の物より倍近く大きく
ドライブ段は、12AX7似の初段を2SK117でカスコード接続。
LTspiceを駆使して作動を確認して完成させているので、これを参考にもう一度設計してみました。
これで動きますでしょうか?


[6353] Re: 設計し直してみました PCL86 CSPPアンプ 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/25(Wed) 05:40   <URL>

図面が上手くのせられませんでした

添付:6353.jpg

[6354] Re: 設計し直してみました PCL86 CSPPアンプ 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/25(Wed) 05:40   <URL>

電源部です

添付:6354.jpg

[6356] Re: 設計し直してみました PCL86 CSPPアンプ 投稿者:ARITO@伊吹南麓 投稿日:2023/10/25(Wed) 08:12  

残念ながらそのままでは動きません。
 
1. 初段のJ-FET差動回路ですが、入力信号を印可する側のFETのゲートが浮いていますので、
  バイアスが掛かりません。コンデンサを削除する、またはボリュームの前に移動させる、あるいは、
  グランドへの抵抗を追加してゲートが浮かないようにする必要があります。

以下は留意点です。
 
2. 電流を取る回路では無いので、おそらく問題は無いと思いますが、ひでじさんの以前の回路より
  半波整流を使われることに懸念を感じています。基本的にトランスにとって半波整流は
  直流を重畳することと同じことですので、おすすめはできません。
  (トランスによっては漏洩磁束が増えたり、コアが飽和したり、唸りが生じる可能性があります)
  昔は整流素子が高価だったので、半波整流を見掛けることが多かったですが
  現在では非常に安価で入手性も問題ありませんので、全波整流にするか、
  回路インピーダンスをもっと高くして電流を減らした方がよいと思います。

3. B電源のブリッジ整流直後に82Ωの抵抗がありますね。5Wの容量のものなら
  問題は無いかもしれませんが、その後の82Ωとは全く消費電力が異なります。
  ここは線形回路ではありませんので、計算で消費電力を求めることは困難ですから
  製作後に、抵抗の発熱や、所望の電圧が出ているか等を確認して、問題があれば
  是正してください。
 
4. あまり堅いことは言いたくありませんが、初段のプレート印可電圧は、
  445V−100kΩ×1.6mA=285V
  となり、カソード電位が8V?だとすると、プレート電圧の最大定格(250V)を超えています。(左図参照)
  目くじら立てるほどではありませんが、技術的な問い合わせに対しては、良くないよ〜と回答します。

5. 初段用の電源電圧445Vに対して、最後の平滑用コンデンサの耐圧が450Vと、全く余裕がありません。
  この電圧はレギュレートされていませんので、電源投入後ヒーターが温まるまでの間、コンデンサの
  耐圧を超える電圧が印可されますし、商用電源電圧が高めに変動すると、やはり耐圧を超えてしまう
  可能性があります。ここは500V以上の耐圧のコンデンサか、または例えば250V耐圧以上の
  コンデンサを二階建てに変更するなどの対応をするべきでしょう。
 

添付:6356.jpg

[6358] Re: 設計し直してみました PCL86 CSPPアンプ 投稿者:おんにょ 投稿日:2023/10/25(Wed) 20:25  

横から口を挟んですみません。
カップリングコンデンサは400V耐圧でなく630V耐圧のものをご使用ください。
真空管がヒートアップする前は電流が流れないので、耐圧以上の電圧がかかる
恐れがあります。



[6360] Re: 設計し直してみました PCL86 CSPPアンプ 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/25(Wed) 22:33   <URL>

ARITO様
項目毎に詳しい解説を頂き
本当にありがとうございます。
1.2.3.4.5.項目全て浅はかな判断、ポカミスだと感じました。
また、450V以上を扱う事を再注意を払いたいと思います



[6361] Re: 設計し直してみました PCL86 CSPPアンプ 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/25(Wed) 22:39   <URL>

おんにょさん
こんばんは!
ご無沙汰しております。
十年前と変わらず精力的に活動されてて凄いです。
カップリングコンデンサーも電源ON直後のことを考えると
耐圧を上げないといけないんですね
アドバイスありがとうございます
6T9製作記はかなりインパクトがあり、最初に
ブログにもご挨拶していればよかった。
ありがとうございました


[6408] Re: 設計し直してみました PCL86 CSPPアンプ 投稿者:菊地 投稿日:2023/11/11(Sat) 16:38  

上記のARITOさんの書き込みの「2」で、半波倍圧整流と言うように、
平滑側から見ると半波整流のようですが、
電源巻き線側から見ると、上下の電流を均等に使っているようです。
つまり「偶数倍の場合は電源トランスに負担を掛けない」ようですね。

ちょうど半導体アンプを製作中なので、バラックを組んで確かめてみたのですが、
オシロ画像で波形の上下とも電流が流れているのが確認できました。
ちなみに「波形のピークの所の電流しか使ってない」のも確認できて興味深かったです。



添付:6408.gif

[6409] Re: 設計し直してみました PCL86 CSPPアンプ 投稿者:菊地 投稿日:2023/11/11(Sat) 17:13  

訂正です。青色の流れが違っているようですね。
先の図では青の下流側の行き場所が無い?

という事で、このような流れではないかと思います。


添付:6409.gif

[6410] Re: 設計し直してみました PCL86 CSPPアンプ 投稿者:ARITO@伊吹南麓 投稿日:2023/11/11(Sat) 18:39  

はい、倍電圧整流の場合は、半波づつ積み上げることになりますので、トランスにとっては害になりません。
トランスにとって害があるのは、普通の半波整流回路です。
 


[6376] PCL86 CSPP アンプ設計見直しみました 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/28(Sat) 18:40   <URL>

ARITO様
皆様、見直してもう一度設計し直してみました。
ご意見いただければ幸いです。
変更点
1.ドライバー段の動作点を規定通り250Vに下げて、電流値も見直しました。出力段の必要な振幅は133.6Vp-pに対して、235VP-P取れているので駆動できると判断。

2.出力段は、自己バイアスから、固定バイアスに変更。固定バイアスは各球ごとに調整するタイプへ。調整のヴォリュームが接触不良起こした場合、-6.2Vが掛かるようにした。

3.電源回路は、B2を405Vになるよう、見直し。B3と-C電源をヒーターの6.3VACから取り出す。

その他、指摘点の見直しました。
率直なご意見をお願いします

添付:6376.jpg

[6377] Re: PCL86 CSPP アンプ設計見直しみました 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/28(Sat) 18:40   <URL>

ドライブ段の検証です

添付:6377.jpg

[6378] Re: PCL86 CSPP アンプ設計見直しみました 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/28(Sat) 18:50   <URL>

出力段の検証です

添付:6378.jpg

[6382] Re: PCL86 CSPP アンプ設計見直しみました 投稿者:ARITO@伊吹南麓 投稿日:2023/10/30(Mon) 08:45  

1. 初段用のB電源ですが、最後の平滑コンデンサは以前のようにグランドへ接続した方がベターです。
  これを出力段のB電源に接続すると、出力段の電源のリップルが初段に影響することになります。
  (初段用の電源のリップルをいくら取っても、出力段のリップルが現れる)
  出力段のリップルが充分取れていればいいのですが、出力段の許容リップルは案外大きいので
  初段のノイズが許容できないくらい大きくなってしまう可能性があります。
 
2. 出力段の利得算出に、スクリーングリッド電圧が実際と違うグラフを利用されています。
  まぁ誤差範囲になると思いますが、実際とは違う条件での算出であることをご留意ください。
 
3. バイアス回路はあまり見たことないやり方ですが、それなりに調整はできそうですね。
  細かいことをいうと、プッシュプル間のバイアス電圧が違うと低域時定数がプッシュプル間で
  異なってしまう回路ですので変わらないように電解コンデンサを入れた方がベターだとは思います。
 
4. 初段の定電流ダイオードが2.8mAになっていますが、例えば石塚のCRDには2.8mAの品種はありませんし、
  また定電流ダイオードはかなりバラつくので、必要数の数倍程度購入して選別が必要なこと、
  温度によって電流値の変化が大きいので、ある程度キッチリとした電流値が欲しいのであれば、
  J-FET+半固定VRの組み合わせで調整ができる回路にした方がベターだと思います。
  これなら電流帰還が掛かりますので温度特性もよくなります。
 



[6383] Re: PCL86 CSPP アンプ設計見直しみました 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/30(Mon) 20:40  

ARITO様
いつも、詳細な指摘と対策ありがとうございます
ドライブ段の最後の電解コンデンサ、確かに出力段のリプルシングルアンプでは使えない程残っていると思います。耐圧を上げてGNDに落とします。2.8mAの定電流は、1mAを選別して作ろうと思ってました。J-FETに可変抵抗で定電流WO作るのは知らなかったので良く調べてみます。
やっと、工作に入ります。昨日は電源トランスのブラケットを作ってました。
また、聞くと思いますが、よろしくお願いします


[6386] Re: PCL86 CSPP アンプ設計見直しみました 投稿者:ARITO@伊吹南麓 投稿日:2023/10/31(Tue) 09:07  

定電流ダイオードの中身はJ-FETのゲートとソースを接続した構造になっています。
このままでは電流値の調整が出来ないので、2部品で構成すればよいのです。
下のアンプの初段の定電流回路を参考にしてください。
 
https://www.aritos-audio-lab.com/4P1L_CSPP.pdf

FETはIDSSが所望の電流よりも少し大きいものを選定してください。
 


[6390] Re: PCL86 CSPP アンプ設計見直しみました 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/11/01(Wed) 06:33  

ARITO様
作例の案内参考になります
電流帰還がかかって温度特性が良くなるのは
魅力的ですね
秋葉原に行く前に
よく検討してみます
ありがとうございました


[6336] BW-2K7Kに適合する球の動作例 6AH4 について 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/15(Sun) 10:57   <URL>

ARITO様
いつもお世話になっております。
また教えてください。

PCL86でCSPPアンプを処女作で作るのはしんどいと感じ始めました。
今は
6AH4GT
12AU7
2SK117 
を使った三段CSPPアンプを製作しようと色々考えています

そこで、タイトルの、BW-2K7W に適合する球の動作例に載っている 6AH4 の動作なんですが、2KΩのロードラインのスタートは280Vなんですが、動作点が
260V Ip=25mA Eg=-25v になっています。
動作点の電圧が違う事例なんでしょうか?

よろしくお願いします



[6338] Re: BW-2K7Kに適合する球の動作例 6AH4 について 投稿者:ARITO@伊吹南麓 投稿日:2023/10/15(Sun) 13:03  

スミマセン! 確かに間違ってますね。指摘を受けるまで気が付きませんでした。
ホントは280Vでの三定数を出さなければならないのですが、260Vで出してますね。
 
利得の算出において、動作点と違う三定数で計算されていることになりますが、
まぁ、それほど大きな違いではないだろうと思います。
そもそもが近似計算ですから。
時間があるときに直しておきます。m(__)m
 
三極出力管の場合は、利得が低いのでブートストラップを掛けても多極管ほどドライブ段の
ロードラインが立たないため、ドライブしきれない場合があります。
よくご確認のうえ、進めてください。


[6341] Re: BW-2K7Kに適合する球の動作例 6AH4 について 投稿者:ARITO@伊吹南麓 投稿日:2023/10/16(Mon) 08:20  

ご指摘のロードラインを修正ました。
今度アップロードしておきます。m(__)m

添付:6341.jpg

[6342] Re: BW-2K7Kに適合する球の動作例 6AH4 について 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/16(Mon) 10:05  

ARITO様
コメントありがとうございます
もしかしたら、こういう設定もあるのかな?
とお伺いしてきました。またそうそうに修正して頂きありがとうございました。
出力段はこのまま使わせて頂きます。
残り、ドライブ段と初段の定数や電源回路がまとまったらまた、ご相談させてください。


[6304] CSPPアンプの出力段の動作点の決め方は? 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/02(Mon) 22:03   <URL>

こんばんは!
CSPPの設計がだんだん分かってきましたが
またまた、分からないことがあり、教えてください。
自分は
十数年前に、オーディオを再開しましたが、全段差動アンプから入っていき、シングルアンプも作りました。
がどうも、プッシュプルの出力段の動作点の決定が分かりません。
図は、ARITOさんからの、EL95の出力段の時、
B+:200V 2kΩのロードラインを引いていますが、
動作点を、200v 25mAに決めています。

すみません
全段差動だと、動作点はロードライン上に乗るのですが、CSPPは全然、関係ないところに設定できるんでしょうか?
CSPPの出力段の動作点の決め方や、
ここを見れば分かるよ!
など教えてください


[6305] Re: CSPPアンプの出力段の動作点の決め方は? 投稿者:ARITO@伊吹南麓 投稿日:2023/10/03(Tue) 07:48  

ロードラインと動作点については、CSPPと普通のプッシュプルは全く変わりません。
A級動作から逸脱する瞬間が無い差動プッシュプルだけが例外だと言えると思います。
 
各管の動作点はロードライン上には乗りません。A級動作からB級動作までかなり自由に設定可能です。
あんまり電流を絞ると電源のレギュレーションが気になる場合もあるでしょうし、歪率が悪化するので
電源の余裕度を勘案して決定すればよいでしょう。

一方で、CSPPは負荷を並列合成するため、極端に電流を絞ってB級に近い動作とし片方が
カットオフしても、アクティブな他方がダンプしますので、通常のプッシュプルでは問題になる
スイッチングトランジェントを回避することができます。
したがって大電流を扱える割にプレート損失が小さな出力管を積極的に採用することも可能です。
 


[6306] Re: CSPPアンプの出力段の動作点の決め方は? 投稿者:ARITO@伊吹南麓 投稿日:2023/10/03(Tue) 10:55  

プッシュプル動作の解析は、ちょっと難しいですが、こちら↓が参考になります。
 
http://ayumi.cava.jp/audio/pow/node22.html
 
プッシュプル動作においては、基本的に2つの出力管が信号の片側をそれぞれ担当しますので、
ロードラインは2管分を合成したものになります。
そのため、各管の動作点は合成ロードライン上に乗らず、電流の設定に縛りがないわけです。
 
つまり、各管のロードラインは電流の設定によって曲がりが変わるのですが、
合成ロードラインはほとんど変化が無いのでそれを考慮しない、ということです。


[6308] Re: CSPPアンプの出力段の動作点の決め方は? 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/03(Tue) 21:23  

ARITO様
プッシュプルアンプが異常だと思っていたら、実は差動アンプの方が狭い範囲で作動させていたんですね。そういえば半導体アンプは、アイドリング電流を大きも少なくもできると聞いたことがありますが、それと同一原理と言うことでしょうか?
多くしても、少なくしても、メリット、デメリットがあるの面白いですが、どちらにしようか迷います 爆


[6309] Re: CSPPアンプの出力段の動作点の決め方は? 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/03(Tue) 21:25  

ARUTO様
ご紹介のHPJIじっくり解読してみようと思います。
紹介ありがとうございました


[6315] Re: CSPPアンプの出力段の動作点の決め方は? 投稿者:ARITO@伊吹南麓 投稿日:2023/10/04(Wed) 07:58  

>それと同一原理と言うことでしょうか?
これを原理というのかどうかはわかりませんが、同じことです。
プッシュプル回路と動作クラス(A級、AB級、B級等)とは直接の因果関係はありません。
 
>多くしても、少なくしても、メリット、デメリットがある
誤解があるかもしれませんので補足します。
電流を絞るとリニアリティが悪くなりますし、無信号時と最大出力時の電流差が大きくなり
電源の質が問われるようになりますので、オーディオアンプにおいてはメリットはあまりありません。

ただ、CSPPでは通常のプッシュプル回路では問題になるスイッチングトランジェントが無いので、
電流を絞ることの不利益を甘受すれば、通常は起用し難い出力管が使えますよ、ということです。
 


[6316] Re: CSPPアンプの出力段の動作点の決め方は? 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/04(Wed) 21:59   <URL>

ARITO様
電流難しいですね。とりあえず、最大電流の1/2位流しておけばいいとことでしょうか?
でも、CSPPは使用が難しい球も使えますということなんですね
もうちょっと勉強しないとチンプンカンプンですね(^^ゞ



[6318] Re: CSPPアンプの出力段の動作点の決め方は? 投稿者:ARITO@西美濃 投稿日:2023/10/05(Thu) 08:03  

>最大電流の1/2位流しておけばいいとことでしょうか?
どこから1/2が出てきたのでしょうか?
私の回答をよく読んでください。
電流を絞る方向はオーディオ的にはあまりメリットは無いと書きました。
そして、電源の余裕度を勘案して決定すればよい、と。
 
つまり発熱等を考慮して出来るだけ電流を多めに流すのが良いですよ、ということです。
 
>CSPPは使用が難しい球も使えますということ
私は歪率に関してはあんまり拘らないので、通常は使いにくい球を起用することが結構あります。
2つほど例を挙げますが、いずれも満足ゆく出来となってます。
 
http://www.za.ztv.ne.jp/kygbncjy/tubeamp/21A6/21A6_CSPP.htm
 
http://www.za.ztv.ne.jp/kygbncjy/tubeamp/7233/7233Circlotron.pdf
 


[6319] Re: CSPPアンプの出力段の動作点の決め方は? 投稿者:菊地 投稿日:2023/10/05(Thu) 10:33  

出力管にどのくらいの電流を流しておくのか? について。

もう少し補足すると、すでに説明されている電源の余裕度に加えて、
歪の増加具合も考慮して決めるのが良いと思います。
動作点の電流を静電流と言いますが、これが少ないとPP上下の出力管の動作が上手く繋がらずに
クロスオーバー歪が発生してしまいます。写真は目視で判るほど酷い状態ですが、
目視では判らなくても、この歪が原因で歪率が悪化するので極端に静電流を絞るのはNGなんです。

一方で半導体アンプでは普通にB級動作が見られますが、大概は全段直結なので多量のNFで対処出来てしまいます。
さらに基本的にOTLなので、ARITOさんが述べたスイッチングトランジェント(過渡応答歪)がないのです。
これはコイルに電流を流した状態で、その電流をオンオフするとバルスノイズが発生するという
困った現象で、出力トランスを使う真空管アンプでは大問題になってしまうのです。

ところがCSPPでは、PPの対になった反対側の出力管の電流が同じコイルに流れているので、
過渡応答歪が発生し難いという長所があり、CSPPで注意すべきは主にクロスオーバー歪という事になります。



添付:6319.jpg

[6321] Re: CSPPアンプの出力段の動作点の決め方は? 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/06(Fri) 05:57  

ARITO様
おはようございます
すみません、Vg=0vの時の最大電流の半分くらいという安易な意見でした。
オーディオアンプでは、電流をあまり絞るのは良くないということですね。
球の容量や電源の余裕などを考慮して決めると。
紹介の作例も参考にします。


[6322] Re: CSPPアンプの出力段の動作点の決め方は? 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/06(Fri) 06:05  

菊池様
静電流が少ないとクロスオーバー歪みがぞ謳歌するんですね。

半導体アンプとの比較解説解りました。
上手く流していきます
ありがとうございます


[6313] 無題 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/04(Wed) 04:44   <URL>

おはようございます。
CSPPの出力段の自己バイアスについて教えてください。
図は3つの自己バイアスが描かれていますが、
@は、共用バイアス抵抗。
これは差動アンプでも見かけ、上球と下球で電流量を制限し、音をGNDに出さない方法に見えます。もしこの抵抗を定電流素子に変えたらどうなるんでしょうか?

それに対してAは、
上球、下球それぞれで自己バイアスしていて、お互い干渉していません。 @とAの自己バイアス違いはどんなところなんでしょうか?

Bでは、
上球、下球それぞれ自己バイアスしていて、抵抗に並列にコンデンサーも入っています。交流(音)を流しています。
AとBコンデンサーの有る無しでは、CSPPの動作にどのような違いがあるのでしょうか?
お忙しいところ申し訳ございませんが、教えて頂けると嬉しいです。

添付:6313.jpg

[6314] Re: 無題 投稿者:ARITO@伊吹南麓 投稿日:2023/10/04(Wed) 07:49  

バイアスについてはCSPP特有の事項は全く無く、すべての真空管回路について共通です。
なんでもかんでもCSPPと結び付けられておられますが、まずは基本回路を理解することだと思います。
基本回路が理解できると、CSPPと関係があることと無いことが分かるようになります。
 
さて、
@に関しては、ほんの少しだけ差動っぽくなることは確かですが、数百Ω程度になるのが
普通ですので大きな効果はありません。が、平衡度の高いドライブをすれば、それなりに
差動アンプっぽくはなります。(ウイリアムソンアンプ等)
 
ここを定電流源に変更すれば立派な差動アンプになりますが、メリットは何でしょうね?
私にはCSPPの差動化のメリットや必要性を見出すことはできません。
 
@とAの違いは、プッシュプルの2管の独立性を持たせるかどうか、って感じですかね。
Aの場合はプッシュプル間の縛りはありませんので、それぞれ独立して動くはずです。
 
Bバイアス抵抗にコンデンサを抱かせるのは、ご承知の通り交流信号をバイパスするためです。
いわゆるパスコンってやつですね。これを入れないと局部帰還(電流帰還)が掛かります。
何度も書きますが、CSPPの動作に相違を与えるものではありません。
 


[6317] Re: 無題 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/10/04(Wed) 22:04   <URL>

ARITO様
ありがとうございます
もう一度、CSPP と普通のPPを勉強してみます
@では上下球で電流を引っ張り合うから、差動に近くなっうんですね
Aは抵抗だけだと電流帰還がかかるから、ノーマルは、Bのコンデンサーを一緒にするのが第一歩ですね
ありがとうございました


[6256] CSPPアンプ回路図設計してみました。動くでしょうか? 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/09/24(Sun) 13:30   <URL>

こんにちは
まだまだ、CSPPアンプ分からないところばかりなんですが、
とりあえず
CSPPマッキントッシュタイプで回路図を描いてみました。
元は、東京の菊池さんの
「PCL86/14GW8 簡易型CSPP」と
「14GW8 CSPPアンプ」を合体した感じです。
初段は2SK114 をカスゲート接続し
PCL86をブーストラップを使用しています。
これで動くかどうか?悪い点を教えてください
分からないところを教えてください

1.ブーストラップで供給される全段の供給電圧はいかほどになるのでしょうか?何度も読み漁ったのですがどうしてもわからないです。
2.前段の負荷抵抗は100kΩに設定していますが、終段を駆動するに当たって、負荷抵抗を33kΩまで下げられないでしょうか?
出力段は固定バイアスの予定ですが、バイアスの電圧をとりあえず-11Vにしましたが、この算出方法が分からないです。
自分は、10年程前から、ぺるけさんの全段差動アンプを設計、製作してきましたが、どうもPPアンプの設計がまだ全然分からないのでよろしくお願いします。

添付:6256.jpg

[6257] Re: CSPPアンプ回路図設計してみました。動くでしょうか? 投稿者:ARITO@伊吹南麓 投稿日:2023/09/24(Sun) 17:15  

先の回答において、ブートストラップはドライブ段の増幅素子が三極管の場合のみ、おすすめできると書きました。
しかるにひでじさんの回路はJ-FET差動回路にブートストラップを掛けています。
この回路ではCSPPの良さを大きく損なってしまう結果となりますので、おすすめできません。
 
なぜおすすめできないか、ということのヒントが、下のページの最下段の「ドライブ段設計例」
というタブを繰ったページの最後に書いてあります。一度目を通していただけませんでしょうか?
 
http://www.za.ztv.ne.jp/kygbncjy/tubeamp/BIFILER_OPT/UI11-35_BifilerOPT.htm
 
ちょっと難しいかもしれませんが、おすすめできない回路について、時間を掛けて解析するのは
避けたいと思いますので、まずお読みいただき、そこに書かれていることに基づいて
おすすめできない理由を明日以降に回答いたします。読まれましたらレスを入れてください。
 


[6261] Re: CSPPアンプ回路図設計してみました。動くでしょうか? 投稿者:菊地 投稿日:2023/09/25(Mon) 10:29  

14GW8csppアンプは、私が初めて組んだCSPPアンプで、
今になって思うに、回路の面白さだけで組み上げたセットでした。
そして・・・発表しておいて言い難いのですが、私もこの回路はお勧めしませんね。

それなら何で掲載しているのか? と言われそうですが、
私の記念すべき1号機なので、備忘録の意味で消去せずに置いてあるのです。
しかし今はセットもバラしてしまい、ECL805csppアンプに組み替えていて、
こちらも似たような回路ですが、ブートストラップは止めています。
この辺りの事は、ページの末尾に加筆しておくべきでしたね。反省です。

そして、お勧めしない理由は、ARITOさんから説明があるかも知れませんが、
ヒントとしては「ダンピングファクターの値」に注目して見て下さい。

こんな面倒くさいドライブ段を採用してまでCSPPアンプを組むのは
強力なKNFに拠る歯切れの良い音に魅せられてしまったからなんです。




[6264] Re: CSPPアンプ回路図設計してみました。動くでしょうか? 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/09/26(Tue) 07:09  

ARITO様
菊池様
コメントありがとうございます。
ARITO様の前回も紹介して頂いたHP、タブがある事に気付かず、出力、ドライバーの設計読んでいませんでした。今一生懸命読解してます。理由もう少しお待ちください。
菊池様、HPではかなり勉強させて頂いています。いろいろ不備もあったんですね。勉強になります。備前録として残すの後々参考になるので自分もよくやります。
そうですね、問題点など追記して頂けると、なお理解度が高まるかもしれませんね


[6265] Re: CSPPアンプ回路図設計してみました。動くでしょうか? 投稿者:ARITO@伊吹南麓 投稿日:2023/09/26(Tue) 07:44  

ひでじさんの回路をおすすめしないのは、私も同様なアンプを製作してがっかりしたことがあったからです。
下のページの6MP17アンプがそれです。
 
http://www.za.ztv.ne.jp/kygbncjy/CSPP.htm
 
アンプとしては成立するのですが、CSPPらしさに欠けるのが非常に残念なアンプでした。
ドライブ段の増幅素子は五極管でしたが、J-FETでも同様の現象が起きると思います。
 
このアンプは回路を変更して今に至っていますが、どのように変更したかについては
ひでじさんの参考になると思いますので、後ほどご紹介します。
 
設計方法説明ページについて自分なりのご理解ができた時点でコメントお願いいたします。
 


[6266] Re: CSPPアンプ回路図設計してみました。動くでしょうか? 投稿者:菊地 投稿日:2023/09/26(Tue) 18:40  

>そうですね、問題点など追記して頂けると、なお理解度が高まるかもしれませんね

ひでじさんを惑わせてしまったお詫びに、ひでじさんが提示された回路を元に、
なるべく変更点の少ない回路で「改善版csppアンプ」を考えて見ました。
余計なお世話かも知れませんが、私ならこんな回路にすると思います。

ただし机上計算だけの未実証回路なので、その点はご承知おき下さい。
さらに初段だけで300倍近い利得になりそうですし、NFも10dB位になると思うので、
組み上がってからの発振を有無をオシロスコープ等で確認する必要がありそうです。

一方、ドライブ段の負荷を33Kに・・・というのは高域対策と思いますが、
NF量が多いので、ここが100kでも高域はかなり伸びるはずです。



添付:6266.gif

[6268] Re: CSPPアンプ回路図設計してみました。動くでしょうか? 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/09/27(Wed) 06:00  

ARITO様
菊池様
大体ですがやっと理解できました。
ドライブ段は三極管とはいえ、2SK117をカスゲート接続しているから多極管と同様増幅率が増えるので、出力インピーダンスが増えてしまうんですね
2SK117をカスゲート接続でなく、3段増幅にすればいいということですね。
また一度ちゃんと出力段、ドライブ段ともちゃんと計算しないといけないですね
製作前から、アドバイスありがとうございました。
また、相談しますのでよろしくお願いします


[6269] Re: CSPPアンプ回路図設計してみました。動くでしょうか? 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/09/27(Wed) 06:08  

菊池様
アドバイスありがとうございます。
参考にさせていただきます。
せっかく作るCSPPアンプを、思い出深きPCL86球で作ろうと思っていますが、ドライバー管が増幅率は高いけど、インピーダンスが高いので妥協も必要なんだなと色々考えています。
ありがとうございました


[6272] Re: CSPPアンプ回路図設計してみました。動くでしょうか? 投稿者:ARITO@伊吹南麓 投稿日:2023/09/27(Wed) 08:07  

>ドライブ段は三極管とはいえ、2SK117をカスゲート接続している
カスコード管の三極部は(ここでは電流)増幅をしておらず、J-FETが(電圧)利得を稼いでいます。
要はドライブ段の増幅素子が何なのか、ということです。
 
お気づきのように、ドライブ段の増幅素子を三極部にして3段構成にすることで
問題解決をするのは選択肢のひとつです。
 
菊地さんにドライブ段の高電圧電源バージョンを挙げていただきましたので
私はブートストラップを掛けた3段構成の例を挙げたいと思います。
左が、前掲の6MP17アンプを改作したアンプの回路図です。
ご覧のように、J-FET差動+カスコード管の回路から、それほど部品を増やさずに
3段構成に変更することが可能ですので、ご参考まで。
 
拙作アンプでは、このような↓アンプも参考になると思います。
 
http://www.za.ztv.ne.jp/kygbncjy/tubeamp/CSPP_BIAMP/CSPP_BIAMP.pdf
 

添付:6272.jpg

[6242] CSPPのブーストラップ有り無し 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/09/19(Tue) 22:01  

こんばんは!
またまた質問させて下さい。
CSPPマッキントッシュタイプを製作しようと悶々と考えてます。
OPT:BW-2K7W
球:PCL86 で考えてますが
2つ質問があります
1.ブーストラップ無しでは、最終段の増幅は、1.7位と返答もらいましたが、ブーストラップを使うとKNFがスクなると言う話ですが、増幅率はどれくらいになるのでしょうか?

2.CSPP用OPTにはカソード接続コイルがありますが、
出力段カソードから、カソード用コイルの間に、抵抗とコンデンサの並列回路が入っているタイプと無いタイプがあります。この抵抗とコンデンサの働きは何なんでしょうか?

3.出力段かソードとGNDの間に、カソード用コイルと、抵抗と電解コンデンサの並列回路が有リマス。このコイルと抵抗とコンデンサNO並行回路が入れ変わっている回路を見かけます。正しい順番とかあるんでしょうか?


[6243] Re: CSPPのブーストラップ有り無し 投稿者:ARITO@伊吹南麓 投稿日:2023/09/20(Wed) 08:24  

1. 出力段の利得の1.7というのはエイヤっで出したもので、当たらずとも遠からずという程度です。
正しくは回路図と動作点での特性カーブが無いと計算できませんが、CSPPの場合は50%のKNFが
掛かっていますので、どんなにgmの高い球でも出力段の利得は2を超えることはありません。
多極管であれば1.6〜1.8くらいになり、大差にはなりません。

ブートストラップを掛けてKNF量が減った場合の利得の算出方法は、ドライブ段の負荷が
ブートストラップによって大きく(高く)なることでドライブ段の利得がどれくらい増えるかに
依存するのですが、小生には計算方法はよく分かりません。
(おそらくロードラインがどれくらい寝るかを作図したら求められそうですが...)

出力段の利得を算出したければ、以下のWEBページの最下段にあるタブを繰ってみてください。

http://www.za.ztv.ne.jp/kygbncjy/tubeamp/BIFILER_OPT/UI11-35_BifilerOPT.htm
 
2.ご質問の内容が良く分かりません。恐らく自己バイアスのバイアス抵抗だと思いますが、
そのようなご質問は回路図が必須だとお考え下さい。
ポンチ絵でも結構ですので、回路図をお願いします。
 
3.これも同様です。回路図をお願いします。


[6244] Re: CSPPのブーストラップ有り無し 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/09/21(Thu) 04:57  

ARITO様
返信ありがとうございます。
CSPPの終段の増幅率の計算は関連する事項が多いいんですね。ブートラップを利用することでドライバー段の電圧が下げられるのならこちらがいいかと考えてました。
2,3の質問は分かりずらくてすみませんでした。
ポンチ絵を入れてみました。
1.は終段カソードと、K1,K2の間に、抵抗と電解コンデンサの並列回路が入っているものと無いものがありますが、効果と必要性はどこなのでしょうか?
2.この、抵抗と電解コンデンサの並列回路が、カソード−K1,2の間にあるものと、E1,2とGNDの間に入っているのがあります。効果は同じなのでしょうか?
何度も質問してすみませんが、よろしくお願いします。

添付:6244.jpg

[6246] Re: CSPPのブーストラップ有り無し 投稿者:ARITO@伊吹南麓 投稿日:2023/09/21(Thu) 07:52  

ドライブ段にブートストラップを掛けると高電圧を用意する必要が無くなるので有効な技法です。
ただし、副作用でCSPPらしさが薄まってしまうので、それを嫌う人も多いです。

ドライブ段が三極管であれば薄まる度合いは大きくないのですが、ひでじさんがご検討中のJ-FET差動で
ドライブする場合は、薄まる度合いが非常に大きくなりますので、特に初めてのCSPPアンプであれば
ブートストラップはおすすめできないです。
 
大きなドライブ電圧が必要なCSPP出力段を充分にドライブするため、大きく分けて以下の3つの選択肢があり、
それぞれメリット、デメリットがあります。
 
●マッキントッシュアンプで使われているブートストラップ技法による電源を用いる。(ドライブ段の増幅素子が三極管の場合のみおすすめ)
 
●ドライブ段に出力段よりも高い電圧の電源を用意して、大きな振幅を取り出せるようにする。
 
●ドライブ段の負荷にチョークコイルを用いて電源電圧を超える最大振幅を得られるようにする。


以下、問い合わせの回答です。
 
1.この抵抗と電解コンデンサは自己バイアスを掛けるための部品で、CSPPとは直接関係はありません。
真空管はカソードに対して(コントロール)グリッドに負電圧をあたえるバイアスを掛けて使うのが基本です。(例外はありますが。)

カソードを接地してグリッドに負電圧を掛けるのが@’の固定バイアス(ただし図にはグリッドに掛ける
負電圧の回路が抜けています)、グリッドを接地してカソードとグランドの間に抵抗を入れるのが
@の自己バイアスです。
 
http://www.op316.com/tubes/tips/b150.htm

2. バイアス用の抵抗と電解コンデンサの場所は、バイアスが掛かりさえすればOKですので、
どちらの位置にあっても効果は同じです。


[6250] Re: CSPPのブーストラップ有り無し 投稿者:ひでじ 投稿日:2023/09/22(Fri) 05:58  

ARITO様
返信ありがとうございました。
CSPPは終段を駆動するドライバー段が肝なんだとよく分かりました。
自己バイアス用だったとは、二次コイルと入れ替わったりしたので
分かりませんでした。
ありがとうございました。


[6252] Re: CSPPのブーストラップ有り無し 投稿者:ARITO@西美濃 投稿日:2023/09/22(Fri) 16:54  

CSPPアンプ完成に向けて、不明点はお気軽にお問い合わせください。